何故か売れない…
小さなお店でバイトをした時の話です。
そのお店は、大型店のテナントを借りお土産などを扱う店員1人で十分な小さなお店です。
なので専属のパートさんが休みの日だけ、ヘルプで入るバイトでした。
最初の研修期間は先輩パートさんから仕事を教えてもらうのですが 長年やっているせいか、まるで自分のお城のようでした。
先輩パートさんは喜怒哀楽が激しく、機嫌の悪い時は 何気なく棚を拭いただけでも「勝手に何やってんの?私に対する嫌み?」などと理不尽に怒られる場面がたくさんありました。
典型的なヒステリックな先輩でしたが、慣れれば1人でやれると我慢し 約一ヶ月の研修期間を終え やっと任されるようになりました。
お店は毎日午後4時にレジを閉めます。
警備会社に、それまでの売上金を渡しますが 閉店まで時間があるので、レジ上げ後の売り上げは 翌日に持ち越すスタイルです。
毎日 確定した金額を、売り上げ帳に記し、4時以降の売り上げ金はレジに入れておくので、当たり前ですがそれは翌日の売り上げ額になります。
数ヶ月が経ってふと気になり始めたのが、先輩パートさんが休みの朝、一度も前日の引き継ぎ金がレジに入っていないってことでした。
そして売り上げ帳を見ても、私の出勤日だけ(先輩の休日)明らかに売り上げ額が低いのです。
先輩パートさんの営業力なのか、私の力不足なのか??
とにかく私の出勤日以外は安定の黒字なんですよね。
先輩パートさん曰く「土日は忙しいから貴方には無理。私の休みは暇な平日にするから安心して」みたいに言ってたので 内心、全然こなせるわ!💢っと思いつつ「そうですよね〜すいませ〜ん」と笑って答えていました。
そんな感じで数ヶ月が経ったある日…。
お店の本部から電話があり、先輩パートさんの親が亡くなったので、急だけど明日出てもらえないか?と。
翌日店に行くと、平日にも関わらず、なんとレジにはたっぷり引き継ぎ金が入っていたのです。
『もしかして自分の休みの前日分は持ち帰ってる?』と疑念がよぎりました。
そして極め付けの出来事が…。
朝いつものように開店の準備をしていると、珍しく別のブース担当が駆け寄ってきました。
「昨日は閉店間際にすごく忙しくてね、⚪︎⚪︎さん(先輩パート)大変そうだったから私も手伝ったのよ!」とドヤ顔。
でもレジには、相変わらず引き継ぎ金は入っていません。
持ち帰り確定です。
在庫と売り上げは合っているので横領ではないでしょう。
自分の売り上げを数字で表すことで、実力を示したかったのだと容易に想像出来ました。
そう思う根拠は他にもあります。
それは、私の出番の日でも、忙しく売り上げが良い日のこと。
売り上げノートの予備欄には「団体客あり」と先輩パートさんの字で書き添えられていました。
もちろん団体客ばかりではないし、そもそも団体客の情報も先輩パートさんが知る術はないのです。
バイトごときが高い売り上げを出すのが許せない先輩パートのプライドなんでしょうね。
ヒステリックは変わらず私の出勤日の翌日は些細な事でもよく電話で文句を言われていました。
例えば、良かれと思って賞味期限順に直した在庫などは、ほぼ毎回「私の分かるように置いてあるんだから余計なことはしないで!」等々…。
もちろん後半は何一ついじらず、そのパートさんの城を保ちつつ、最後は本部に全部話して辞めました。
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